君がいる風景
第10章 距離感 翔視点
面接帰り、電車を降りて買い物して帰らなきゃって
思ったけど、
まずはあの自転車置き場の横にある小さな祠に
お参りしなきゃって考えて早足で向かった。
あの人と出会わせてもらいました
神様、本当にありがとうございます!
大野智くんって名前でした。
明日から
一緒の職場で働けることになりました
手を合わせてかなり長い間祈ってたと思う。
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接客業は初めてで
最初はお客様のところへ水をあの運ぶのもドキドキだったけど、スタッフさん達はみんな親切で
さりげなくフォローしてくれたりして
特に相葉くんは常連のお客様から名前で呼ばれる
くらい気さくで優しくって頼りになるんだ。
高校生の頃から働いてるんだって言ってことが
よくわかった。
でも、あの大野くんとはなかなか距離が縮まらなくて、挨拶を交わすくらい。
たまに休憩室で一緒になっても、なかなかうまく
話しができなくって
大野くんもすぐに部屋から出ていったりする。
なんか…俺、もしかして避けられてる?って
思えるほどの素っ気なさ。