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君がいる風景

第10章 距離感 翔視点



職場は思ってた以上にすぐになじめて
接客業はお客様の笑顔や声がダイレクトに響く
やり甲斐のある仕事なんだとも思えてきてる。


明るい相葉くんや、美男子の松潤も気軽に声を
かけてくれるおかげで
この職場に来るのが楽しいって思えてた。




あとは、大野くんとの距離感だけ。


仕事終わりに同じ駅だから、声かけて一緒に帰ってみようって決意してみたりしたんだけど
俺がもたもた着替えてる荷物をまとめてる間に
風のようにさっと居なくなってしまう。


『ああ、大ちゃんはね、着替え速攻だからね
面倒くさい時は制服でそのままで店出てから
歩きながら着替えたりしてるもん』

『あ、智のこと?
ムダムダ。呑みに誘ったってなかなか行かないよ。
あいつ付き合いは良くない方だし
群れるのもあんましないほうだからさ』



なんだか前途多難みたいだけど
いつかは仲良くなれるチャンスがくるって
小さな祠の神様に祈り続けた。




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