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君がいる風景

第10章 距離感 翔視点


店の前で解散してから
なんとか間に合った最終電車

肩を貸して乗り込むと心地良い揺れにすぐ眠り込む智くんがいたから、
もたれかかってくるその重みと温もりにドキドキしてた。



ふらつく足取りで鼻唄を歌いながら歩いたかと思ったら、
小さな祠の前で得意げにここの神様は
すっげえんだとか話し出して
それから座り込んだと思ったら居眠りし始めたから

どうにか家まで送り届けようかと思ったけど
もう電池切れみたいで
ぐでんぐでんの智くんからは家の場所も教えて
もらえなくって
自分ちのマンションに帰ることにした。



智くんを肩を抱くように密着して歩く道のり


ミルクのようなあまい香りとお酒の匂い
ずっとこうして寄り添ってたいなんて気持ちが
芽生えそうになって
あわてて頭をふってかき消した。


たどり着いたマンションの部屋
布団はもちろん1組だけ

とりあえず水を飲ませると
熱いってつぶやいて服を脱ぎだす智くんがいたから
慌てて布団を敷くと、
自分から横になってすぐに眠り込んでしまった。




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