テキストサイズ

more & more

第3章 ちくちく



翔くんが中庭から走り去ったあと

中庭にいた子達には、

さんざんそれをネタにからかわれた。



チャイムの音がなり、教室に戻っても、

一部のクラスメイトたちは楽しそうに

オカマだの和子ちゃんだの言ってからかってきた。



友達になりたいっていわれたり、

突然罵られたり、もうわけがわからない。

同級生のからかいも、

なんだか相手するのに疲れちゃって

無視を決め込んだ。






すぐに飽きるだろうと思っていた

クラスメイトからのからかいは

次の日も、その次の日も続いた。

こちらが無視を決め込んで、

嫌がる反応をしないのが

逆に気にくわないみたいで、

言葉だけのからかいは、

集団シカトだったり、ものを隠されたりと

次第にエスカレートしていった。



翔くんは時々俺のクラスにも顔を除かせていたが

チラッと俺の方を見たかと思えば

すぐ違う子と楽しそうに話だし、

当然俺には話しかけてこなかった。

それからは俺もなるべく顔を伏せて

翔くんの視界に入らないように心掛けていた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ