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第21章 かこのこ
缶コーヒーを飲み干し、
ふぅともう一息ついたところで
トントン、と肩を叩かれた。
N「……ぁ。 」
振り向いた先にいたのは、
涼「…先ほどはどうも。」
控えめに微笑む涼さん。
隣いいですか?と断り俺の横を指したので
どうぞ、と少し腰をあげると、
松葉杖を先に置き、ゆっくりと腰をかけた。
涼「えっと…ごめんね?
雅紀の友達の…二宮『くん』でいいんだよね?」
N「…はい? 」
一瞬質問の意味がわからなくて曖昧に答えると、
涼さんが言いづらそうにもう一度聞いてきた。
涼「いや、あの、ごめんね?男の子だよね?」
N「…そうですけど。」
そういうことか。くっそー。
明らかにムッとした俺に涼さんは焦って続ける。
涼「ごめんね!違うの!
雅紀も三宅先輩も君のこと溺愛してるし、
全然男っぽくないっていうか…!
いや!いい意味で!!」
いい意味でってつければ
なんでもいいわけじゃねーぞ?
N「いいです…言われ慣れてますから… 」
涼「いや、ほんと違うんです〜!紹介されるまで、
雅紀の彼女なのかなって思っちゃってて…」
涼さんの言葉にドキッとする俺には気付かず、
なおも涼さんは好き勝手話してる。
涼「…私も"にのちゃん"って呼んでいい?」
N「別に…なんでも…。」
涼「ほんとに?じゃあにのちゃん!」
N「…なに? 」
涼「にのちゃんって彼女いるの?」
N「へ!? 」
おれ?!
涼「にのちゃん可愛い顔してるから。
彼女いるのかなーって。」
N「………いるよ、恋人。」
彼女、ではないから付け加えるけど。
涼「へー♡いいないいな!どんな子?」