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第23章 あつあつ




#N


おーちゃんに絶対に効くから!と

漢方薬みたいな超苦い粉薬を

無理くり飲まされて悶絶していると

まーくんがドアを開け飛び込んできた。




パチクリと俺とおーちゃんを交互にみた後、

両手で俺の頬を包むように手を添えると

大丈夫?変なことされてない?と

まーくんは焦った様子で俺の顔を覗き込んだ。




O「薬飲ませてただけだって。なぁにの?」



昼までの怒ってたのとは違って

俺の瞳を心配そうに覗き込むまーくんに、

キュン、と心臓が高鳴る。



N「まーくん…。」



A「・・・かずくん。」






ぎゅーってまーくんの腕の中、

痛いくらいに抱きしめられる。



N「わ、まーくん、」



A「ねぇ、・・・好きだよ。」



N「っな…!」



A「かずくんの思ってる何倍も、何百倍も。
俺はかずくんのことが好き。 」



N「ま、まーくん。 」



A「だからさ、思ってること
話してくれないなんて寂しい。
頼ってくれないのも相談してくれないのも
悲しい。こんなの重たい?」



表情は見えないけど、きっとまーくん

また泣きそうな顔してる。



N「違うの、まーくん…
重たいのは俺の方なの…。」



A「・・・うん?」




まーくんの腕の中、ふぅと深呼吸して、

今言うしかない、と腹をくくった。





N「あのね、この前の試合見に行った日…
まーくんって凄い人なんだって、
思い知らされたっていうか、その…
俺なんかと付き合ってたら
迷惑がかかるかもって…思って」



A「・・・なんで?」



N「なんでって…! 」



まーくんみたいな注目選手が

男と付き合ってるなんてバレたら…!



A「おれが好きで付き合ってるのに
迷惑になんてなりっこない。 」



N「でも・・・」



A「かずくんがいいの。」



N「まーくん…。」



A「言ったでしょ?男とか女とかじゃなく
かずくんだから。俺が好きになったのは。」



N「・・・っ。」





ふっと体が離されると、

まーくんが真剣な表情で俺の目を覗き込む。










女の子に産まれたらよかったって思いながら、

ほんとは"そのままでいいんだよ"って

ずっと言って欲しかったんだ。



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