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第23章 あつあつ




N「誰にも言えない関係なんだよ?俺たち。」



それでもまだ納得出来なくて、

ボソボソと、不安要素を投げかける。



A「潤たちとかおーちゃんが
知ってくれてれば充分じゃね?」



あと健先輩にも勢いで言っちゃったけど、と

なんでもないことのように笑うまーくん。



N「・・・っもし俺と付き合ってるって
バレたらバスケしてる人たちみんなビックリするよ?
まーくん凄い選手なのに…ホモだとかゲイとか
からかわれたり悪口言われちゃうかもしれないよ?」


A「そんなんいう奴はほっとけばいい。」


N「キャーキャーいってた女の子たちも
一斉に攻撃してくるかもよ?」


A「だからそんなん気にしないって。 」



N「でも…。」



なおも言い淀む俺に、はぁっと溜息をついて

まーくんがちょっと怒ったような声で話す。



A「・・・なに?かずくんは俺と別れたいの? 」


N「ちがっ・・・! 」


A「別れたら楽になる?普通に女の子と
付き合ってみんなに認めてもらいたい?」



おーちゃんに言われたのと全く同じ・・・。




N「・・・相葉くんのお母さんも
悲しむかもしれないじゃん。」



この際だからと全部全部溢れる。止まらない。




A「また周りの人のこと気にしてる。」





違うじゃん、そうじゃないじゃん。




N「っ!違うもん!まーくんの…、っ…、
まーくんのことだからっ、なのに、…っ」



どうして分かってくれないの。

耐えきれず涙が溢れる。

泣くのはズルイってわかってるのに。

堰を切ったように溢れる。




A「あー、もう…。泣かないでよぉ…。
可愛い顔が台無し。」



N「っう、うるさっ、…い。
別れ、るとかっ…言う、からっ……ヒック。」



正面からギュッと抱きしめられ、

小さい子をあやすみたいに頭をポンポン、と

なでられると、まーくんの肩口を濡らす涙が

一層止まらなくなった。




A「別れたいの?て聞いたの。
俺は別れるなんて言ってない。
で?かずくんは別れたいの?
俺のこと好きなの?嫌いなの?」




N「…別れたく、ない…好き、っじゃなきゃ 、
…こん、っな、泣かっ…ない…」



しゃくりあげながらで情けないけど、

これが俺の精一杯の愛情表現。

今度こそ分かってよ。



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