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第25章 ひとひら
#A
「よし、じゃあ明日寮組は7時半出発、
現地組は8時に正面玄関前集合な。」
部長の解散の号令におつかれっした!と挨拶し、
足早に帰路につく。
最寄駅に到着し、母ちゃんとかずくんに、それぞれ
今から電車に乗る旨を連絡。ホームに出て
まもなくやってくるだろう電車を待つ。
すぐにかずくんから届いた
"気をつけてきてね"の一文に胸が高鳴る。
誕生日を迎える瞬間を、
好きな子と過ごせるなんて♡
そりゃ顔もにやけるわな!!!
A「くふふ♡」
にしても、だよ。
大会中実家から通うって話した時の
かずくんの反応ったら♡
本人はまるで気付いてないけど、
寂しいよぅ、って丸わかりの表情が
なんともキュートで思わずにやけちゃった♡
もともとうちに誘おうかと思ってたけど、
子犬モードのかずくんが可愛くて
しばらく様子見ちゃったくらい♡
「…ゴホン。」
デレデレと締まりのない顔をしてたのか
となりに並ぶお姉さんに、
思いっきり訝しげな目を向けられ
ついでに咳払いを食らった。
やべーやべー。
頬をつねってニヤケ顔を引き締めていると
今度は母ちゃんからのLINE。
"駅についたよ"ってメッセージのあと、続け様に
"駅前の広場でにのちゃんを見つけた"
"寒いから車に乗せたよ!"て。
この寒い中外で待ってたの?!んもぅ!
グッジョブ!のスタンプを送り、
ポケットにスマホをしまった。
早く会いたいなぁ・・・
今朝会ったばかりなのに。
今夜のことを考えワクワクしていたところに
携帯がブーブーと振動しだした。
・・・電話?