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第29章 なみなみ
#M
今日も今日とてこのバカップルは
どうしようもなくバカップルだ。
わがままお姫の行く先々に、
ニコニコと笑顔で付き合う…執事?家臣?ペット?←
そもそもで今日は
俺の買い物に付き合ってくれって話
だったはずなんだけどなぁ?
キャッキャしてるバカップルの更に後ろを
保護者のように歩きながら、
翔くんのプレゼントは何にしようかなーなんて
ぼんやりと考える。
雑貨屋や洋服屋さんがひしめく通りを
あー、こんなん似合うかな…とか
いや、これだと予算がとか、
あーでもないこーでもないと店を覗いてると
いつのまにかニノたちの姿が
見えなくなっていた。
M「・・・ったく。あいつら迷子かよ。」←
すぐさま、どこにいる?と
LINEを送り周りを見渡したが
土曜の昼時ということもあり、
人人人でごった返している。
とりあえず返事が来るまで
動かないのが1番、と近くの自販機にもたれて
返信を待っていると、
人混みを挟んで反対側のお店に、
よく見知った顔が。
M「・・・翔くん?」
紺色のダッフルコートに身を包んだ翔くん。
え、翔くんもここに来てたんだ。
約束もしてないのに翔くんに会えるなんて、
偶然にしちゃ、できすぎてるじゃん?
翔くんに会えた嬉しさから、
この土日俺の誘いを断ったことなんて
すっかり頭から抜け落ちていて
ルンルンで声をかけようと一歩足を進める。
M「しょ、」
「おまたせーーー♡」
店頭の商品を弄んでいた翔くんの背後から、
俺の声をかき消すかの如く
元気なひとりの女の子が走って来て
そのまま翔くんの腕に抱きついた。
呆然とその光景を見る俺の前を、
翔くんと女の子が腕を組んで通り過ぎていく。
M「・・・・へ?」