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第31章 がらがら




*A




A「嘘・・・だよね?」




もう会えない?なにそれ?





M「この状況で嘘つくと思う?」




だって、そんな・・・




A「・・・今、にのちゃんは?」



M「多分だけど、部屋。」




松潤が言い終わるのもまたずに、

部屋を飛び出した。

おれの部屋と反対側の角部屋。

たいして長くもないはずの廊下をダッシュで駆ける。




---ドンドンっ



A「にのちゃん!っにのちゃん!」



何回ノックしても、

ガチャガチャとドアノブを回しても、

中からの応対はない。




A「かずくんっ・・・、」



部屋にいない、と判断した俺は

食堂、風呂、ランドリールームと、

かずくんがいそうなところを走り回った。

寮の中、どこを探しても見当たらない。

ケータイにかけても繋がらない。




A「どこに・・・、」




どこにいる?

ねえ、俺のせいでしかないけど、

このままお別れなんてやっぱり嫌だよ。








力なく、かずくんの部屋の前に戻ってくると

もう一度呼びかけてみる。



---コンコン


A「・・・かずくん、ごめんね。
俺バカだし、臆病者だから、」





別れようって言ったときかずくんは

なにを言い返すでもなく、

わかったって言ったんだ。


嫌だ、も、別れたくない、も飲み込んで。

ふざけるな、と罵倒してくれたほうが楽だったかも。



自分から酷いこと言ったくせに

もしかしてかずくんにとってその程度なの?なんて

身勝手なショックを受けて。



きっと、これは、その罰なんだよね?






なにから何まで、俺は間違ってた。




A「かずくん・・・ごめん・・・。」











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