テキストサイズ

more & more

第31章 がらがら










N「ふはーーー・・・・・」





軽く体を流して、

乳白色の入浴剤が入った湯船に肩まで浸かると、

思わず声が漏れた。





まーくんがなんであんな嘘をついたのかわからない。

ただ、俺と別れたかったって事実には変わりないから

なんで、なんて知ったところで

もうどうしようもないんだろう。



両親に編入の話をした時には、

驚きながらも喜んでくれた。



ただ母さんは少しだけ、

『学校でなにかあった?』と心配させたようだった。


なにもないよ、と伝えた時には

納得していないようだったが、

それ以上の詮索もされなかったから

そのまま電話を切った。



寮の部屋替えのときにまとめた荷物は、

そのまま発送してしまったから、

今頃空の上かアメリカの地を運ばれているだろう。

あとは最低限身の回りに残したものを

バックパックに詰めて飛行機に乗るだけで





もう二度とまーくんには会うことはない。






さっきの電話、やっぱり出ればよかったかな。




ほんとにこのままでいいのかな。




まーくん。



やっぱり『なんで』が知りたいよ






ストーリーメニュー

TOPTOPへ