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第33章 時雨心地
O『…やっべえな、すげえじゃん。』
N『…やばいやつだよね?なにこれ詐欺?』
O『え、だってあのジャニー喜多川本人から
声かけられたんだろ?』
N『だって本人だっていうけど
サングラスも帽子もしててわっかんねーし!!』
O『まぁでも劇場で声かけられたんなら
本人なんじゃねーの?』
N『うーーーーーーん・・・』
ざっくりな話。
あの日オカダさんのミュージカルのあとに
スカウトにあった。
劇場の外に出ようとしたところを
見るからに怪しいおじさんが
You、日本人?と声をかけてきた。
変質者だ!と思った俺の横で驚きの声をあげる両親と、
立ち止まる俺たちに気づき驚きの声をあげる周囲の人々。
その声色が変質者に向けられたものとは違う気がして
母さんと父さんを振り返ると
母さんが「ジャニーさん♡?!」と黄色い声援をあげた
O『まぁ、レッスン見にこいっつったんだろ?
最悪みてすぐ帰って来ればいいじゃん』
N『指定されたとこに行ってそのまま誘拐されたら
おーちゃんのせいだぞ』
O『ならやめとけ笑』
なんでも、週末に舞台稽古があるから
興味があればそこに見学に来なさいとのことで、
オカダさんだけではなくマサ・サカモトも
参加すると言うことだった。
知らなかったのは俺だけのようだが、
ジャニーさんはタレント事務所の社長もしていて、
ミュージカルの脚本演出だけでなく、
これからのエンターテイメントを支える
若い人材の育成にも力を入れているそうだ。
N『・・・なんで俺?』
O『しるか。ジャニー喜多川にきけ』