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第34章 飛花落葉
O「おー、久しぶりの食堂・・・!!」
手元のミックスフライ定食に箸を伸ばしながら
ご機嫌なおーちゃん。
『その時は俺がもらっちゃうからね』
あの電話を最後に
クラス替えやらなんやらで顔を合わせる機会もなく
…いや、なんとなく顔を合わせられなくて避けてた。
その間におーちゃんの留学がきまり、
あ、このことを言ってたのかと
妙に納得してしまった自分がいた。
O「みんな変わんないねぇ。」
アジフライを頬張りながら
ふにゃふにゃ笑っている人物は
あの電話と同じ人だとは思えない。
S「どうだった?アメリカは?
なんかめっちゃ垢抜けたじゃん!」
両頬いっぱいに唐揚げを詰め込んで翔ちゃんが
興味津々といった表情を浮かべる。
O「むこうのクラスメイトのやつらに
髪の毛とかも好き勝手いじられまくった。」
S「そうなんだ!前髪あげるのめっちゃいい!」
M「飯うまかった?」
O「いや、なんやかんややっぱ日本食が1番美味いよ」
S「へー!ホームシックとかなかったの?」
O「んー・・・まぁニノもいたしなぁ」
「ニノ」と言う単語に一瞬翔ちゃんも潤も
ぴくっと表情が固まった気がした。
S「へぇー・・・あ、そういえ「元気?」
慌てて話題を変えようとした翔ちゃんを遮って
おーちゃんに声をかける。
おーちゃんはしっかりと俺の目を見て
O「元気だよ。」
そう言った。