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第34章 飛花落葉
O「そうそうお土産!持ってきたんだけど、、、」
ぽいぽいと俺らのテーブルに並べられる
ザ・アメリカチックなカラフルな雑貨たち。
O「あとこれー、相葉ちゃんに。」
そう言って取り出された一冊の雑誌。
O「頑張ってるよ、あいつ。」
ペラペラとその雑誌をめくり、
見開きで俺に向けられたページに目を向ける。
そこにあったのは
小さいながらもにのちゃんの写真と、
2.3行の紹介文。
O「すげえよなー、
なんか超急展開で遠い存在になっちゃった感じがして
ついてけねぇわ」
A「・・・。」
何者か、になった彼。
なろうともがく、何者でもない俺。
自分から望んで突き放したくせに、
この酷い気後れはなんだろう。
O「その最後にさ、ニノをスカウトした人の
インタビューが載ってんだよ。…ほらここ。」
『Johnny Kitagawa』と紹介されたその人の
見開き2ページに渡るロングインタビュー。
英語ばかりが並ぶその記事の合間に、
'Kazunari'の文字を見つけ読み進める。
『ミュージカルを見る彼の目に希望を感じた。
この先のエンターテイメント界を
引っ張る人材のひとりになるだろう』
得意では無い英語だが、
絶賛していると言うニュアンスは読み取れた。
他にもアジア系統の人材と思われる名前が
ちらほらと文章の中にあり、
『いずれ世界を席巻するエンターテイメント集団を
作り上げてみせる』
と、そのインタビューは締めくくられていた。
A「・・・すごいな、 」
素直に口から感想が漏れ出した。
O「・・・相葉ちゃん、これでよかった?」
不意に優しい声色でおーちゃんに問いかけられ、
顔を上げると、真面目な顔でもう一度口を開いた。
O「相葉ちゃんは、
いま笑ってにのによかったねって言える?」