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第35章 雨露霜雪





発表から約3週間の稽古を乗り越えて、

リハも順調に終え、

いよいよ明日が本番となった。



K「いよいよ明日だな・・・」



いつも余裕綽々といった感じのケントが、

珍しく緊張しているようで、

ちょっと可愛く思えてしまう。



N「ふふふ、ここまでやったんだから
あとはなるようになるよ。頑張ろうな。」



ぽんぽんと頭を撫でれば、

そっと俺の手に手を添えたケントが

真面目な顔してこちらを見つめる。




N「・・・ケント? 」



K「・・・"愛してる"。」



N「・・・・・・・?"私も"。 」



不意に劇中のセリフを口にしたケントを

不思議に思いながらこちらも劇中のセリフで返す。




ガクッと肩を落としたケントが、

やれやれ・・・と

いつぞやみたいにお手上げポーズをとった。



ん??と顔を覗き込めば

ぶすくれた顔で俺を見る。



K「明日の公演が成功したらご褒美が欲しい。」


N「ご褒美??」


K「そ!おれとデートして?」


N「デートぉ?」




デートという響き自体は謎だが、

要は出かけたいってこと?



N「 別にいいけど?」



なんならご褒美とかじゃなくても

オフの日ならいつでも暇してんだけど・・・



K「ほんと?!」



パァッと明るい顔になったケントは

明日頑張ろうな!とハグをして帰っていった。




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