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第35章 雨露霜雪





#N





『まさきーーー、時間!!』




さっきまでのいい雰囲気を引き戻す、

ドンドンドン!という音と

遠くに聞こえるたぶん潤くんの声。




『あーぁ、、、ごめん、俺これから大会で!
大会終わったらアメリカ行くから!!!
また連絡するね!!!行ってきます!!!』



「え!あ、ちょ!!が、頑張って!!
あ、いってらっしゃい!」






ツー、ツー、ツー、と無機質な音が流れ、

急に終了した久しぶりの電話。



えーーーーーと。



なんか最後訳わかんないこと言ってなかった?





ピコン、と通知がきて、1番上に表示された

これまた久々のトークルームを開く。




『にのちゃんも明日主役頑張って!!!』



連投できたフリフリと尻尾を振る犬のスタンプ。




「んふふ・・・」



よくわかんないけど、

また連絡くれるんでしょ?



急に動き出したまーくんと俺の時間。

ずっと胸につっかえてたものがなくなったように

自然と口角が上がってむすむずする。



『大会終わったらアメリカ行くから!』




あれは聞き間違いじゃないよね?

また会えるってこと??



あ、誕生日おめでとう言い損ねた。



それも『また今度』って言えるのが嬉しい。





ウキウキで歩き出したと同時

母さんからも届いたLINE。



『まだ、稽古場??早く帰ってきなさいーーー!』



了解!のスタンプだけ返して、

上がる口角を隠さずに走った。





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