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第8章 いじいじ



おーちゃんは午後の授業が終わると

すぐにお見舞いに来てくれた。



O「元気そうじゃんか。」

N「 まぁね。あ、プリンだ。」



手土産に持ってきてくれたビニールの中。

ポカリと栄養ドリンクはひとつずつなのに

プリンだけはちゃっかり2つあるのがおーちゃんらしい。


二人でプリンを食べながら、

おーちゃんがくれたノートのコピーに目を通す。



N「至れり尽くせりだなぁ~、ありがとー。」


O「いえいえ。明日はサボんなよ。」


N「 あ、バレてた?」


O「めちゃ元気そうだもん。しかもお前、おれがくるまでゲームやってたろ。」


N「それもバレてた。すぐ隠したつもりだったのに。」





へへへー、とわざとらしく首をかしげてみたけど

おーちゃんは小難しい顔して俺を睨んでる。







O「・・・なんかあった?」


N「 んー・・・・・・。」


O「・・・相葉ちゃんか?」


N「だからなんでっ・・・!」


O「相葉ちゃんも今日元気なかったから。」


N「・・・。知らない。」


O「まぁ話したくないなら無理強いはしないけど。」


N「・・・うん。」




O「じゃあ帰るわ、明日は学校こいよ。」



おーちゃんが、ぽん、と俺の肩に

手をついて立ち上がる。











話したくない気持ちと聞いてほしい気持ちが

ごちゃ混ぜになって、

気づいたらおーちゃんの腕を掴んでいた。






N「おーちゃん・・・。」


O「・・・。」


N「・・・相葉くんさ、俺のこと、」


O「・・・うん。」


N「女の子だったらよかったって・・・」


O「はぁ?・・なんでそんな話に?」


N「・・・わかんない。けどそれで、気まずい感じになっちゃって、その・・・」




時折詰まりながら、ボソボソと話す俺の話を

おーちゃんには黙ってきいていてくれた。











相葉くんを好きだと気付いたこと。

気付いた途端に失恋したこと。

これから先も叶うことのない恋だということ。



すべて吐き出して、全部なかったことになればいいのに。








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