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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第53章 あ~羨ましいな、おいっ!

康司は他校のヤツラと遊ぶ事が多かった

イジメにあったとかそういう事は無かったのだが、徐々に学校に来なくなった

多分それは何か不祥事が起きた際に真っ先に疑われていたのは康司で、その都度先生に呼び出されていたって事もあり、 学校に嫌気が差した康司は中3の2学期から来なくなった

サユリと知り合ったのは夏休みの頃で、互いに学校の事や家庭の事情など共通の悩み抱え、康司がウチに来い、と呼んだ事から一緒に暮らすようになったらしい

初めてサユリを見たのは中3の夏休みでゲーセンに行った時に紹介された

「タカー!コイツ、オレの彼女でサユリってんだ」

その頃からお揃いのスエットを着、茶髪にしてヤンキー丸出しの格好をして、いつも手を繋いでいた

(ったく二人揃って何て格好してんだ?)

その数日後には康司の部屋で一緒に住んでいた
中3の分際で同棲だなんてけしからん!

「お前ら中学中退するつもりか!」

先生は毎日のように康司を説得するため家に訪れたが

「ウルセーなっ!もう学校には行かねえんだよっ!2度と来るなバカヤロー!」

玄関先でそんな事を怒鳴っていた事が何度かあった

僕は康司と同じマンションという事で、学校に来るように伝えてくれないか?と言われたが

「だってクラス違うし、元々そこまで仲良くないから」

と言って、面倒な事になりたくないからと言って断っていた、だって本人が行きたくないって言ってるのに、僕なんかが行ったところで、ハイそうですかってなるワケじゃないし…

しかし実際は、毎日のように康司の部屋に行っては麻雀をしてサユリが作るご飯を食べて、夜中はヤツラにセックスさせないようにしぶとく部屋に居座っていた

「おい、今日はヤルから早く帰れよ」

「何ーっ!テメーこれからセックスすんのかよ?許さん!よし、今晩はここに泊まる!」

「ふざけんなよ、早く帰れよバカヤロー!」

「テメー、登校拒否の分際でセックスだと?オレも混ぜろバカヤロー!」

「ふざけんなっ!ヤリたきゃ彼女作れっ!」

「よし解った!じゃあこうしよう!お前らセックスしてる横でオレはオナニーする!これならいいだろ?」

「死ねっこのバカが!」

「早くヤレよ、このヤロー!」

少なくともこんなやり取りを何十回と続けたような記憶があった
今思えばコイツが羨ましかっただけなんだけどね…

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