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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第55章 何ぃ~、痴漢だと?

夏休みも10日程過ぎて暦は8月に変わった

僕は毎朝8時前に起き、8時半には電車に乗りバイト先に向かっている

学校に行くときと違い、反対方向の電車に乗るのだが、ラッシュアワー時な為、
いつも満員で揉みくちゃにされながら乗り換えの駅までこの状態だ、電車通学がいいなんて思ってた僕は、こんな事を毎日続けながら会社や学校に通ってる人は偉いもんだ、と妙に感心していたりして…

「あれ小野っち、どこ行くの?」

ホームで声を掛けてきたのは波多野だった

(ゲッ!こんな時に波多野に会うのかよ…)

僕は波多野に告白されてフラれて以来、波多野に連絡はしてない

そりゃそうだ、フラれた相手に連絡するなんてマヌケな事はしたくない

しかもこんなラッシュアワー時によりによって波多野に会うのかよ…

「オレ夏休み期間はバイトしてっから」
素っ気なく答えた、まぁこっ恥ずかしいってのもあるんだけどね

「バイト?そうなんだ。アタシは学校に行かなきゃ」

「だって学校行くのバスで通ってんじゃん」
ちょっと見ない間に随分と大人っぽくなったような…気のせいかな?

「うん、そうなんだけど、最近バスより電車の方が早いってのが解ったから」

「はぁ…」

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