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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第57章 1985年のトレンド

「暑いよね今日も。小野っちここ出たらどうする?」

あっ…そういや考えてなかったな

「この辺りどっか遊ぶような場所あるのかな…」

何せ降りたことのない場所だ
遊ぶとこなんてゲーセンぐらいだろ
当時はカラオケボックスなんて無かった頃だから行くとこなんて昼間はゲーセンや喫茶店で時間を潰し、夜は繁華街を彷徨いて結局はゲーセンなんてパターンが多かった
っていうか、ゲーセンしか遊ぶ所を知らなかった

だから他の遊びを知らなかったのだろう…ろくな遊びしかしなかった
まさか波多野にゲーセン行く?なんて言っても来るワケがないしな…
今もあまりゲーセンに行く女子ってそんなにいないんじゃないかな、よく解らないけど

「あ、この先デパートあるんだけど、ちょっと行ってみない?」

デパートで何すんだ?
でも結局、行くとこも無いし暇だから、僕らはファミレスを出てデパートのある方へ歩いた

「あぁなんでこんなに暑いんだ?夏は日中出歩くもんじゃないな」

さっまで涼しい場所にいたから外に出ると、モワーンとした熱気が身体中にまとわりつく
涼しかった身体があっという間に汗で滲んでいく

「アタシこれだったら一旦かえって着替えればよかった。もう制服クリーニングしないと」

夏用の白いセーラー服だからか、汗をかくとブラジャーが透けて見える

(コイツそういやいつもピンクのヤツ付けるよな)

クラスのヤツラは波多野を陰でピンクと呼んでいた

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