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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第57章 1985年のトレンド

常にピンクの下着で何かのはずみでそれを見たヤツが言い出しっぺでピンクと呼んでから、波多野イコールピンクの下着というイメージが出来上がった

あれ、言い出しっぺは誰だっけ?何て事を思い出しながら歩いていたらデパートに着いた

「あぁ~涼しい!やっぱ昼間外に出たらダメだな。ただ汗が出るだけだ」
暑い所から涼しい所、そしてまた暑い所から涼しい所へ行くから、身体は変化についていけなくて、つい風邪引いちゃったりするんだけどね、夏は

でもデパートの中はエアコンが効いていて快適だ
僕らは中でゲームソフトやDCブランド店、本屋や電化製品を見て回った

「こんなとこにK-Factoryの店があるよ」

K-Factoryとは、当時とんねるずがよく着ていた、超原色系の派手なデザインが売りだった
今では死語となりつつあるが、D・Cブランド(デザイナーズ&キャラクターズブランドの略)で、コム・デ・ギャルソンやY's、BIGIやイッセイミヤケ等のブランド物を着ていたバブル時代を象徴するファッションだった

シャツ一枚で一万円以上するんだから、勿論、高校生だった僕にそんな高価なブランドを買えるワケもなく、安くて手に入るいかにもそれっぽく見せかけたパチモノ(バッタもん)を着ていた

「そういや波多野ってセーラーズのをよく着てるけど、わざわざ買いに行ったりしてるの?」

セーラーズはおニャン子クラブが着て、いわばトレードマークみたいモンで当時の中高生に人気があったブランドだ

「えー、あのトレーナーの他にもう1着しか無いよ。だって高いんだもん」

おニャン子クラブっていや、オーディションに受けたんだよなコイツ…

落ちた時、バレるのがイヤで誰にも言うなって必死になってたな、あぁ思い出してきたら笑いが…

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