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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第57章 1985年のトレンド

「ねぇ、誰にも言ってないよね、あの事?」

「だから言ってねーって!何回言ゃいいんだよっ!…ギャハハハハ!」

「何で笑うのよっ!小野っち絶対誰かに言ったでしょ?」

そうか、波多野にとってはおニャン子クラブのオーディション受けた落選したのが黒歴史というワケか
この話になると、顔を真っ赤にしてムキになってんだから、余程嫌な思い出って事か

「…だから言ってねぇって!何でオレだけにしか言わないんだよ?杉下だって知ってんじゃん?アイツにも釘刺しておいた方がいいぞ、ましてや彼氏なんて出来たんだから、うっかり言ってる可能性高いぞ」

「あ…そうだ!優子も知ってるんだった。…でも優子は絶対言わないよ、言うとしたら小野っちぐらいなもんじゃん?」

…そんなに口軽そうに見えるのか、オレって?
そして僕らは、レコードショップへと向かった
この年、CDが発売されたが、まだそれほど普及はされておらず、レコードの方が売れていた

「あっレベッカだ」

波多野がそう言ってレベッカのアルバムジャケットを手に取った

「レベッカ?」

「最近人気あるんだよ、小野っち知らない?」

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