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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第60章 彼女は出来たが何をすりゃいいのか…

断りたいのだが、断ると波多野が悲しむだろうな

「いいねぇ、じゃあ後楽園遊園地にしようか?」

思った事の正反対の言葉を言ってしまった

「じゃあそうしよ!小野っちアタシお弁当持ってくるよ!何食べたい?アタシが作るから」

そういや好物って何だっけ?
言われてみると中々出て来ないもんだ

「んー、じゃさおにぎりと唐揚げがいいな」

「いいよー、おにぎりの具は何がいい?」

「そうだな…シャケとコンブが入ったヤツ、あ!梅干しもいいな」

「梅干し?何か面白いね小野っち!」

「えっ、そう?おにぎりじゃなかっならサンドイッチでもいいよ」

「いいよ、おにぎり作ってくるよ!おかずは唐揚げだけでいいの?」

「んー、だって波多野だって食べるじゃん?後は波多野が好きなもん作ってくればいいんじゃない?」

「わかった!じゃあ楽しみに待ってるね。それと次は小野っちが電話してよね?うん、じゃあまた」

そう言って電話を切った

遊園地か…ジェットコースターの他にコーヒーカップとメリーゴーランド、何か空飛ぶじゅうたんなんてモンもあったな…

オレが乗れるのってメリーゴーランドとコーヒーカップぐらいしか無いんじゃなかったっけ?

…マジか!初めてのデートは遊園地かぁ!ジェットコースターに乗ってガタガタ震えてるのを横目で見て波多野はガッカリするだろなぁ…

「貴久、慶子と遊園地行くの?」

「何だ、いきなり!」

「慶子と付き合うようになったの?」

アネキがニヤニヤしながら色々と聞いてきやがる!

「別にいいじゃねーかよ」

姉が電話でのやり取りを一部始終聞いていたらしい

「アンタね、慶子はアタシの後輩なんだから大切にしてあげるのよ!」

「解ったから部屋で勉強してろ!」

部屋に入ろうとすると姉は耳元で
「アンタ、デートの時タバコなんて吸うんじゃないよ、わかった?」

そう言って部屋に戻った

ゲッ!タバコ吸ってんのバレて
るのか?

ヤベェな、親にもバレてんだろうか?

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