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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第61章 デート前日

僕は部屋でファミコンをしながら波多野から連絡が来るのを待った

(あっそうだ!やっぱゴムは持っていった方がいいのだろうか?)

かなり自惚れの高い頃、いや妄想が激しかった頃だ

大体初デートでそんな事になるわけがない
しかし、ヤリたい盛りの僕は万が一という不測の時代に備えて用意するべきだと思い、コンドームは用意しようと思い、親の寝室にこっそりと入り、タンスの引き出しを片っ端から開けた

(あれ、無いぞ。よくタンスの引き出しに入ってるって聞いた事あったが、ウチはそういうのが無いのか?)

あんまり寝室をゴソゴソしてると怪しまれるから引き出しを閉まって寝室を出た

すると電話が鳴り、素早く受話器を取った

「はい、もしもし」

【あの、わたし波多野と言います…えと小野くんは…】

「オレだよ、オレ」

【あっ小野っち?最初だれだか解らないからキンチョーしちゃったよ~】

急に受話器の向こうから安堵したのか、最初の硬い口調から一転して弾む声になった

「あー、さっき電話したのは明日の確認というか、それで電話したんだよ」

【そうだったんだ。明日早く起きてお弁当作るから楽しみに待ってて、じゃ明日遅れないで来てよね】

「解った、んじゃおやすみー」

そう言って受話器を置いた

(彼女が出来て初デート!こりゃ夕方頃に遊園地出て、その後は…いやー、明日になんねーかな早く!)

既に頭の中はセックスで一杯だ

よし、まずは苦手の絶叫物に乗ってその後は弁当食ってまた乗り物に乗ってそれからは…

なんて事を考えながら僕は眠りについた

高校1年生の男子が考える事なんて、女子に比べたら、ホントに幼稚過ぎる…

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