テキストサイズ

1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第63章 あの…絶叫系無理っす…

僕らは二人一組で乗り込む
立ち乗りのゴンドラはグングン上昇して後楽園の周りを一望できる
しかしそんな余裕はない、心臓がバクバクいって口から飛び出しそうな勢いだ

ゴンドラが最上部まで上昇し、一気に下降する

「すごーいっ!これ楽しいっ!」

僕は全身に力を入れて、歯を食い縛るようにして下降していく時にかかる重力に必死で耐えた

下降する時間は僅かだが、物凄く長く感じる
心臓はバクバクしながら上から見下ろす風景なんてよく解らないし早く終わって欲しい
っていうか、ずっと目をつぶってた…情けない

「あぁ、楽しかった!」

波多野は満足げに次に乗るアトラクションを見て回った

僕は全身に力を入れて堪えながら下降していたので、終わってゴンドラを降りた瞬間、フラフラだった

(もうイヤ…のんびりした乗り物だけ乗りたい…)

波多野は船の形をして前後に激しく揺れるアトラクションを見つけ
「あれ、楽しそう!次あれ乗らない?」

(アレ、さっきのパラシュートよりスピードあるんじゃないか?)

まだ心臓はバクバクしてる

「どうしたの?」

「いや、何か喉乾いたなぁって」

「んじゃあれ乗ったらどっかで休憩しようよ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ