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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第64章 初キス

「小野っち大丈夫?汗すごいよ!」

僕の異変に気がついたのだろうか、波多野が僕の顔を覗きこむようにして心配そうな顔をした

「いや、何だかメチャクチャ喉乾いた!暑くてヘロヘロだ…」

とりあえず暑さのせいにしておこう、波多野は休憩できる場所を指し

「あそこで少し休もうよ。アタシ何か買ってくるから。小野っち何飲む?」

僕は遊園地によくある丸いテーブルの椅子に座った

「んじゃコーラで。オレ出すからいいよ」
と言って財布から小銭を取り出した

「いいってば、アタシ買ってくるから少し待ってて」

そう言って波多野は売店に向かった

しばらくして紙コップを2つ持ってきた波多野が現れた

「小野っち、これで少し汗拭きた方がいいよ」

そう言って水で濡らしたハンカチを僕に渡した

「あ、サンキュ。あぁ、気持ちいい」

僕は濡れたハンカチを目元に当てて顔を上げてしばらくその状態でグッタリしていた

「小野っちホントに大丈夫?」

まさか絶叫モノが苦手だなんて言えない、恥ずかしくて

僕はハンカチを取り、氷のいっぱい入ったコーラを一気に飲み干した

「しかし暑いな…なんか物凄く喉渇いてこの暑さにやられたのかなぁ」
なんてわざとらしく言った

「あ、ちょうどお昼だからごはん食べようよ」

そう言って波多野はバッグから弁当箱を2つ出した

「はい、これ小野っちの好きなおにぎりと唐揚げ。お腹空いてるのも原因なんじゃないの?」

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