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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第65章 ドキドキばっか!

すると波多野は笑いながら
「アッハハハ!何かと思ったらそれ?でも美味しいと言ってくれてありがとう」

嬉しそうに波多野は席を立ち、紙コップや割りばしをゴミ箱に捨てて、ジェットコースター乗り場にいった
勿論手は繋いでいた

順番を待っている時、空を見上げた
日差しはジリジリとして、相変わらず突き刺すような暑さだ
でも雲1つない、澄みきった空だった

あぁ、今オレの気持ちはこの空と一緒で一点の曇りもない
満足げに浸っていた

「小野っち、来たよ。ホントに大丈夫?」

そう言いながら僕と波多野はジェットコースターに乗り込んだ

足元を固定する安全バーに捕まりゆっくりとジェットコースターは上がっていく

途中で波多野が僕の手を握った

「大丈夫だよ、小野っち。アタシ手握ってるから」

ガクンとジェットコースターは急降下して凄まじい勢いで園内を駆け巡る

(大丈夫、大丈夫って言ったら大丈夫なんだ!)
そう言い聞かせ僕は波多野の手を握った

(あれ?慣れればそんなに怖くないぞ…)

多分波多野が僕の手を握ってるおかげなのか、前ほどの恐怖感はない

「慣れると楽しいなっ!スゲー面白いよ、これ」

僕は大声で叫び、ジェットコースターのスリルを味わった

「あれ?もう終わり?」

ジェットコースターのスリルを楽しめるようになったら乗ってる時間があっという間に感じた

「小野っち大丈夫じゃん、良かったね!」

僕らはそう言ってジェットコースターから降りた

「よし、次は何だっけ?観覧車だ、観覧車んとこに行こう!」

気がついたら波多野が僕の手を引っ張っていたのが、逆に僕が波多野の手を引っ張っていた

そして観覧車の入り口に立ち、ゴンドラを待っていた

「よし、順番来た、乗ろう」

そう言って観覧車に乗り込んだ

しかし日中の暑さで中はかなり暑い

「暑いね、この中」

僕らは向かい合って観覧車に座っていた

観覧車の高さが頂点に達した時、僕は波多野の隣に座った

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