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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第67章 あの、ビールください…

駅から少し離れた商店街に、中華レストランと書かれていた店に入った

この店は小学生の頃、家族全員で何度か食事に行ったことがある

中華レストランというが、和食も洋食も注文でき、和洋折衷な店として繁盛していた

「いらっしゃいませ~」

ドアを開けると昔と変わらず、小太りなオバサンが店内を切り盛りしていた

僕らはテレビが観れる真ん前の席に座りメニューを見ていた

「ねぇ小野っち…」

波多野が急に声を潜めた

「ん、なんだ、どうしたの?」

入った店が気に入らなかったのかな、僕は女子が好みそうな洒落た店なんてしらないからな…

「ここ中華以外でも何でも作れるし、子供の頃からよく行ってたよ。あんまりこういう店好きじゃない?」

もう少しオシャレな店にすれば良かったのかな、でもこの辺りはそんな店は無かったよなぁと思ってたら

「アタシね、実はその…たまにお酒飲むんだよね。こういうトコで頼んだら店の人におこられるかなぁ…」

はぁ?意外だった
まさか波多野がお酒を飲むだなんて

「いや、ちょっとぐらいなら出してくれるよ」

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