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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第70章 もう、日焼けするのは止めよう

無理に日焼けするんじゃなかった
何をするにも身体中がヒリヒリして痛い
日焼けじゃなく火傷だ
シーブリーズの薬用ローションを身体中に塗った日にゃ、一体何の罰ゲームなんだよ!ってぐらいな拷問に近い


激痛に苛まれながら何故あの時も土手で日焼けなんてしようと思ったのか
時々意味不明な行動に出る自分はかなりおかしいんじゃないか、と思ったり、まぁいっか!で済ませちゃう楽天的な考えも持ち併せているんだからやっぱおかしいのか…


…まぁ日焼けはしょうがないとして
あの時、校舎に向かい一礼したのは僕の偽らざる本心だったのか?

本心のようで本心じゃない
人なんてその日その時の心情が違うのだから解らないけど、あの日の一礼はあの時の嘘偽りの無い気持ちだったのだろう

ましてや一礼して挙げ句には泣いてるなんて女々しい!
あーっ、波多野に見られたんだよな、その場面!

恥ずかしくてあれ以来波多野とは連絡していない

(ずっと一緒に居ようね)

その言葉を思い出し、また一人で赤面していた

しかし、痛てーな、おいっ!
ヒリヒリが一向におさまらない

すると居間から電話が鳴った

「電話だよーっ!」

…何だ誰も居ないのか
よく考えりゃ昼間だし父親は仕事で母親はパート、姉は学校でくそ真面目に勉強してるから僕しかウチに居なかった

動く度に皮膚がシャツに擦れて痛い!

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