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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第70章 もう、日焼けするのは止めよう

僕は痛みをこらえながら受話器を取った

「はい、もしもし」

【もしもし、あの波多野ですけど…小野っち?】

声の主は波多野だった

「うん、どうした?」

【小野っち大丈夫?】

大丈夫って何が大丈夫なんだ?日焼けでのたうち回ってる事に対して大丈夫ってことか?

「うん、まぁまだ背中はヒリヒリするけど」

【違うよ、アタシが言ってるのは帰りに様子が変だったから心配で電話したんだよ】

全くの見当外れな事を想像していた

「何で?別に何ともないよ」

何ともなくは無いが、あの時の話を振られるのは恥ずかしいからテキトーにごまかそうとしていた

【えーっと、小野っち明日空いてる?】

「明日?空いてるけど、オレ日焼けでまだ身体中動けないよ」

【そう…そんなに痛いの?】

「無理して焼いたのがまずかったみたいだ。風呂入るのも一苦労だよ」

【…】

「どうした?何かあったのか?」

【うん、実はね、アタシ夏休み中にバイトしてて、お給料入ったんだけど、どっか行ってご飯でも食べようかなぁって思って電話したんだけど…それじゃしばらくは無理だね】

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