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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第71章 あの店でバイトしてたのか?

そう、帰りは必ずお互い寝てしまい、乗り換えの駅を寝過ごしてしまうのだ

「ねぇ小野っち…」

波多野は急に真面目な顔をして小声で話し出した

「小野っちって何の関心もなく冷めてる人だと思ってた。でもこの前の小野っちを見て、何か小野っちっていいなぁって思ったの」

この前か…

まさか校舎見て泣くなんて思いもよらなかったからな

「何だかんだ言って小野っちもあの中学が好きだったんだなぁって思って…」

「はぁ…」

だからその話は出すなよ!恥ずかしいんだってこっちは!


「ところで」

僕は恥ずかしいので話を切り替えた

「バイトって何のバイトしてたの?」

「あぁ、あれね。知り合いのオバサンが喫茶店やっててそこのお手伝いしてたの。小野っちも来たことあるんだよ」

「えっ、オレが?」

「そう、卒業してすぐに優子と一緒に来たお店がそうなの」

にゃんですと!

「てことはあの中に波多野いたのか?」

「うん…実は」

へっ?てことは波多野に杉下と話した事が筒抜けだったって?

「えっ、じゃあ何?杉下はあの店で波多野がバイトしてたの知ってたのか?」

「うん、だから優子もあまり会話出来なかったって言ってたよ」

…なんて事だ

筒抜けかよっ!

「でもアタシ、あそこは中3の一学期から手伝いしてたんだ」

「そんな前からバイトしてたのかよ?」

「うん、まあね」

「てことは何人かは店を手伝ってた事を知っていたのか?」

「クラスの女子は何人かは知ってたかな…」

はぁそういう事だったのか

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