テキストサイズ

1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第76章 科目に柔道がある学校

だが1人、この柔道に反発するヤツがいた
ソイツの名は菅原、彼は極真空手の初段の腕前だ
当時、極真空手と言えば、どの流派の空手よりも実戦的で、空手バカ1代の大山倍達が創始者で、空手=極真というイメージが強かった

初段とはいえ、他の流派の空手に比べると腕前は二段、もしくは三段に匹敵するほどのレベルだ

最初のうちはおとなしく従っていたが、やはり柔道よりも空手、空手こそが最強という思いがあったんだと思う

「こんなバカバカしい事やってられっか!」

彼は柔道着を着るのに何故パンツまで脱がなきゃならないのか、アホらしい!と拒否した

となると先生も黙ってない

「よし、じゃ、今からオレと勝負しよう、勝ったらお前の好きにしろ」と

「おい、柔道対空手の異種格闘技戦だぞ!」

「どっちが勝つと思う?」

「空手だろ、どうやって突きや蹴りを防ぐんだ?無理だろ」

僕たちはそんな事を言いながらこの試合を見ていた

案の定、彼は遠慮無く突きや蹴りを繰り出した

だが、体格の違いからか、先生はガードを固めてびくともしない

そして袖を掴み、寝技に引き込み、奥襟締めという柔道着の襟を使って頸動脈を締めた


すると、あっという間に落ちてしまい、先生が勝った…

見ていた僕らも唖然とした

「何だ今の…」

「スリーパーホールドじゃね?」

「一瞬で落ちたぞ!」

柔道スゲーっ!

とにかく僕の通っていた高校に何故、柔道という科目があったのかは知らないが、ちょっと変わった学校だった…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ