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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第80章 決めた!ガッコー辞める!

僕には何の刺激も無く、何の期待も持てない学校に行かなくて済むから

常に心の中はどんよりとしたまま何かを抱えていた

学校が終わり、仲の良い数人で駅前にあるデパートに入り、ゲーセンのコーナーでひとしきり遊んだ後、喉が渇き飲食店のコーナーに入り、学ランのままタバコに火を点け、白い煙を天井に向かって吐き出す

それを見ていた中年の女性二人組が眉をひそめ、汚ない物でも見るかの様にこちらを見ていた

(ジロジロ見てんじゃねえよ、ババア!)

僕は別にヤンキーでも何でもないから、どう見られようが何とも思わない

ヤンキーならば【何ジロジロ見てんだよババア!文句あるなら言ってみろ、コラっ!】
ぐらいな事を言うだろうが、見られたぐらいでガタガタ言うのも大人げない

というか、まだ大人ではないが…

こんな繰り返しに流石に嫌気がさした

オレにとって高校生活とは、全く意味のない不毛な3年間をダラダラと過ごす以外何ものでもない、と

(こりゃもうダメだ!辞めよう)

僕は注文したコーヒーを一気に飲み干し、テーブルにお金を置いて
「ちょっと用事出来たから先に帰るゎ」
と言い残して店を出た

帰りの電車の中で、外の景色をぼんやりと眺めながら、入学してからの事を色々と思い出していた

しかし、これといって印象に残る事もなく、まだ入学して半年が経過したばかりなのに何にも良いことが思い浮かんでこない

(所詮あんなバカ学校だ、いい思い出なんて何一つあるワケねぇだろ)

ドアの前に立って、日が短くなった空を見ているうちに、希望のきの字さえ見えない学校に見切りをつけ、家に帰ったら退学届けを書こうと決めた








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