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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第81章 退学届けの書き方って…?

部屋に入り、封書には【退学届け】と大きく書いた

さて、どういった内容の文面を書けばいいのやら

何せ退学届けなんて書くのは初めてだ
まぁ当たり前の事なんだが…

ここの学力と僕の学力には大きな隔たりがあり、この学校に僕は相応しくないので、この学校を辞めさせてもらいますーーー

うーん、そこまではっきり書かなくてもいいか…炎上しそうだな

この学校に入学して半年が経ちますが、いまだに学校に馴染めず僕の通う学校はここでは無いと判断した結論から、この学校を中退しますーーー

いや、何か違うな…

こうやって机に向かい、あーでもない、こーでもないと上手い文章はないかと頭の中で色々と考えていた

姉や母親は僕が珍しく勉強しているもんだと勘違いしているらしく、母親がわざわざ夜食まで持ってきてくれた

「そんなに一度に勉強しようとしないで普段から毎日一時間でもいいから机に向かえばいいのよ」

まさか退学届け書いてるなんて言えないから
「ハイハイ」とテキトーに相槌を打っていた

(辞めたらどうしようか?編入なんてオヤジが許してくれなかったからな…バイトしながら大検の試験でも受けてみようか?それかバイトしながら定時制に通うか…でも定時制って4年も通うんだよなぁ、おまけにオヤジやオフクロと同じぐらいの人も一緒に授業受けるっても何か気が引けるな…)

一晩中こんな事を考えながらようやく考えたら文面は

【もはやこの学校に学ぶ事は何一つありません。よって本日をもちまして、私立S学院高等学校を中退する事にしました

S学院高等学校 普通科
一年A組 小野貴久】

よし、これを明日先生に叩きつけてやれば、こんな不毛な学園生活から解放できるぞ!

そんな安堵感で僕はそのまま朝まで寝た

明日から自由になれるんだ…

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