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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第82章 つまんないから辞めま~す

かなり眠いが今日は何がなんでも学校に行かねばならない

昨夜あれこれと頭を捻りながら書いた退学届けを提出するつもりだ、いや出してあんなバカ学校を中退する!

空はいい秋晴れで、僕の第2の門出を祝ってくれるかのような気持ちいい天気だった

いつものように電車に乗り込む
(あぁこの電車に乗るのも最後だな…)

なんて事を感傷的に浸りながら窓の景色を眺めていた

…半年か、オレにしてはかなり長続きした方だな
でも、もうさすがに限界だ
あんな学校はさっさと辞めて新しい生活をスタートさせるんだ!

いつもならギューギュー詰めの山手線も、これが最後だと思えばこの混み具合もいい思い出になるだろう、なんて事を考えていたらあっという間に駅に着いた

この細くて狭い風俗街を通るのもこれで最後だ、次に来るときは、お客さんとしてここを歩こう!


僅か半年間だったが、それなりに楽しい思い出だった
明日からはこんなゴミゴミした繁華街を彷徨かなくていいんだ

僕の心は晴れやかだった

信号を渡り、校舎が見えてきた
これが最後の通学だ、そして退学届けを叩きつけてさっさと帰ろう!

だが、校門を目の前にして1つ疑問に思った事があった
(あれ?待てよ…退学届けってどこに渡せばいいんだろ?)

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