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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第83章 弟の身を案ずる姉

「はっきり言うけど、あんなとこバカの集まりでまだ中学の頃に習った事授業で受けてんだぜ?それに教科書すらまともに読めないヤツらと一緒に勉強したらこっちまでバカになっちまう。というワケで退学届け出してきたから」

オフクロは黙ったままだった
僕の目には当時のオフクロはオヤジの顔色を伺い、波風立たないようにしていた事なかれ主義の人間にしか見えなかった

そのやり取りを聞いていたアネキは僕の手を掴み
「お母さん、ちょっと出るけど心配しないで!」

と言って僕を引っ張り外に連れ出した

「おい、何処行くんだよ?」

「いいから来なさい!」

姉に引っ張られながら僕は夕陽の沈んだ外を歩いていた

中学の通学路の途中に公園がある
アネキはそこまで僕を連れてきた

「慶子、連れてきたわよ」

ナニ?波多野が来てるのか?

すると前方にジャングルジムの側にあるベンチに波多野が座って待っていた

「おい、何でここに波多野がいるんだよ?テメー波多野に全部言いふらしたのかよっ!」

僕はアネキに食ってかかった

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