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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第84章 アネキという存在

喫茶店に着いた頃には、アネキはいつもの姉になっていた

僕とは違い、成績優秀でバレー部のキャプテンを務め、波多野や他の後輩達から絶大な信頼を集めていた

卒業後は都立の進学校に入学、成績は常に学年トップクラスに入る程の頭の良さに加え、ショートカットでボーイッシュながら学年の人気者だった

出来の良い姉と、素行不良で無気力 無関心、何をしても中途半端な弟の僕はアネキとウマが合わなかった

オフクロが二人いるんじゃないかと思うぐらい僕にはうるさい存在だった

「何でアンタがアタシの弟なの!こんな出来の悪い弟なんていらないわよ!」

「うるせー!ちょっと勉強できるからってイイ気になってんじゃねぇ、この大根足が!」

アネキはバレーのせいか足が筋肉質でやや太めなのをコンプレックスとしていた

何かにつけて足の太さをを弄られる

「うるさいっ!これは真面目にバレーやってる証拠でしょ!アンタこそいつも青白くて病人みたいな顔じゃない!」

僕は色白な上に、いつも寝不足で疲れきった顔をしていたので、病人の様に青白い顔をしていた

寝不足なのは深夜のラジオ放送を聴いていつも眠たそうにしていただけ

とにかくアネキは僕にうるさかった

「皆、受験勉強してるのにアンタだけフラフラしてたら高校なんて行けないよ!いつまでも遊んでないでさっさと勉強しなさい!」

「イチイチうるせーヤツだな!オレはやりたいようにやるだけだ、バカヤローがっ!」

僕が康司のウチに行く理由の一つとしてアネキの存在がウザかったからだ

アネキは康司にも説教をするときがある

「いつまでも家の中に居ないで学校に行きなさい!彼女だってまだ学校に行かないとダメなんだから!」

アネキはサユリにもガンガン言う
最初は「ウゼーんだよ、テメーは!」なんてアネキに突っかかって行ったが、今ではアネキの事を
「お姉ちゃん」と呼んで慕っている

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