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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第85章 なんつー酒の弱さだ…

僕は思い出した

「ナニ?」

「波多野ってアネキとよく会ってたのか?」

「うん、帰りが一緒になる事が多かったからよく話しはしてたよ」

「何の話してたんだ?」

「祐実センパイ小野っちの事ばっか言ってたよ。小野っちが心配で心配で仕方ないのよ、祐実センパイは」

「オレ?ウチじゃうるせーからほとんど話しはしなかったけどなぁ」

僕は温くなったビールを飲んだ
うゎっ温いと不味い!

「口を開けば【貴久はちゃんと学校行ってるのかしら?】とか【変な遊びばっかしてないよね?】とか小野っちの事ばっかり気にしてたわよ。【慶子、貴久の事ヨロシク頼むね】なんて事も言われたりしたし…」

ヨロシク頼むってのは何だ?

何をヨロシクするんだ?

「ふーん、人の事より自分の事心配したらどうなんだよ。さっさと彼氏でも作りゃいいんだよ」

隣の席で横になってるアネキを見てそう思った

「祐実センパイ人気あるからね。彼氏なんてすぐに出来ると思うんだけど」

まぁ才色兼備とはいえ、あーも口うるさい女じゃ彼氏が可哀想だ

ふと外に目をやった
もう外は暗くなり、三日月が出ていた

あまり遅くなるのも良くないし、そろそろ帰るか

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