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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第97章 あの女、ラリってるぞ

僕と波多野はその智美ってヤツに紹介するためにソイツが住んでいるという錦糸町の近くまで行った

「何でこっちに行かなきゃなんないんだよ?フツー向こうからこっちに来るだろ?」

フツーならそうだろう、何でもわざわざこっちから顔見せに行かなきゃならないんだ

「いいじゃん、別に。智美がこの近くに住んでるからここがいいって言ったんだし」

大体彼氏紹介してって言ってきたのは向こうだろ?
だったらその智美ってのがこっちまで来るのか、中間地点辺りで待ち合わせというなら話はわかるが

僕らは錦糸町の駅で降りて場内馬券場(WINS)
を通り更に奥まで歩いていった

「駅から離れてないか?どこで待ち合わせしたんだ?」

かれこれ10分以上は歩いている

「もう少しで着くはずなんだけど…」

波多野が周辺をキョロキョロしながらそれらしき場所を探していた

「慶子~っ!」

前方にある公園で手を振る女がいた

「何だあの女?」

パンクなファッションに身を包み、悪役の女子プロレスラーみたいなメイクをしてかなり痩せてて不健康そうに見えた

確かに顔は悪くない、だが雰囲気がかなりヤバい

「あ、智美~、すごいね今日の格好?」

波多野もややたじろいでいた

「お前さぁ、少し友達選んだ方がいいぞ」

僕は波多野にボソッと耳打ちした

「あ、この人がアタシの彼で小野君」

「あ、はじめまして小野です」

とりあえず紹介された手前、挨拶をした

「はじめまして~、智美でーす、小野くん慶子の彼氏なの~?アッハッハッハッハ」

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