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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第99章 旧友達との再会2

「やかましい、このチリチリ頭が!」

皆で一斉に花山にツッコミをいれる

「じゃあ、波多野とは何もないのか?」

井上も太田もしつこく聞いてくるし

「ないない、何にもないよ」

「出かけるって何処へ行ってんだ?」

「ん~、渋谷とか原宿とか」

「スゲーな、オレらそんなとこに行く機会なんて無いぜ!さすが池袋が学校だと遊ぶ場所も都会だなぁ」

花、お前オレの代わりに学校に行ってくれよ、オレがそっちの高校に行きたいぐらいだ

「いや、でもただプラプラしてるぐらいだよ。あっ、波多野って酒飲むんだぜ!」

「マジで?アイツ酒飲むのかよ!」

3人共、驚いていた
あの波多野が飲酒とはねえって

「オレらタバコだけど、アイツは酒かなり飲むんだぜ!」

「大酒飲みかよ」

井上はタバコは吸うが、まだ1滴も飲んだ事がないみたいだ

「けっこー飲めるって言ってたぜ」

「そんなに飲めるのかよ!」

「アル中じゃねーの?」

花山、今度波多野に会ったら直接言ってみてくれ、コイツなら言いそうだ

「ギャハハハハ!」

それから波多野=酒飲み、更に話が大きくなって波多野=アル中という事になってしまった
それもこれも、数年後のクラス会で僕がおニャン子クラブのオーディションを受けた事と一緒にバラしてしまったんだけどね…

いつしか外は暗くなり、話が盛り上がり過ぎて時間が経つのを忘れる程だった

「じゃあ、小野っち、もし編入するなら絶対こっちに来いよ」

井上はそう言って他の二人と共にチャリに乗って帰った

編入したいなぁ…もう一回オヤジに頼むしかないか

僕は徒歩だから、1人でぼんやりと編入の事を考えながら歩いて帰っていった

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