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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第102章 忘れた頃に現れる杉下という存在

とは言うものの、担任の言う事も解らないワケではない
何て言うか、担任と口論を繰り返すうちに
(あれ、オレ何でこの学校がイヤなんだろ?)
と疑問を持ち、何がどうイヤなのかも解らなくなってきて、めんどくさくなったのもある

で、考えてみたら、この学校はそんなに悪くは無いんじゃないか?ただ先入観だけでこんなバカ学校はイヤだ!というだけで、クラスの連中もそれほどワルいヤツなんていなくて、僕自身の勝手な思い込みで結局は編入という考えも僕の中では段々と薄らいできた、いやハッキリ言えばどうでもよくなってきた

(仮に他の学校に行っても同じだったら損するだけだしな)

そして僕は普段通りに学校に通い、放課後はバイトに精出す日々を過ごした


波多野とはたまに連絡するぐらいで頻繁に会う事は無くなった

向こうも勉強が忙しくなったせいなのかもしれないが、僕から連絡するのはなるべく控えた


秋から冬に変わり、寒さが増してきた頃、杉下から連絡がきた

「小野っち久しぶり!元気してた?」

何の用だ一体?そんな事を思いながらも電話に出た

「うん、どうした急に?」

「いや、小野っちどうしてるかなぁと思って」

どうしてるも何も…普段と変わらずの生活だ
それよか側にオヤジとオフクロがいるんだ、話は手短にして欲しい、話の内容を聞かれたくないからだ

「どうもしてないよ。そっちこそ彼氏と上手くやってるのかよ?」

「…アタシ最近彼氏と別れたの」

「何で?」

「うん、何かあんまり連絡もくれないし、話をしても会話があまり合わないから…」

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