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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第103章 猿真似は所詮、猿真似

「おい、聞いたか?小沢のバカまたタバコで停学食らったらしいぜ!」

朝教室に入った時、園田が僕の所に来て真っ先にその事を伝えに来た

「アイツこれで2回目だろ!ダブり確定じゃん!」

「停学の次は無期停らしいからな」

「アイツなんでバレるようなやり方してんだよ。バカ丸出しじゃん」

これでこのクラスから留年するヤツが1人確定になった

僕も留年候補の1人なのだが、対岸の火事みたいなもんで、特に気にもしなかった

その日の学校帰りに小沢の家に寄った

「よぅ、ダブり!いつまで謹慎中なんだ?」

性懲りもなく、部屋でセブンスターを吸っていた

「うるせー!何でオレだけ見つかるんだよ、ツイてねぇよ、ったく」

全く、1度見つかったんだから、要注意人物と見なされるのは当然だろう

「1度パクられたんだからマークされるのは当然だろ?なのに何で学校にタバコ持ってくるんだよ?」

こいつの家は母子家庭だ
ただでさえ、私立校という事で金がかかるのに、留年で1年余計に通わなきゃならない、母ちゃんが泣くぞ、この親不孝者がっ!


「んー、いや吸いたくなるじゃん?」

そりゃ吸いたくなるのは分かる
僕も食後に一服してたからね

「もっと解らないように吸えばよかったんだよ」

まぁ今さらこんなアドバイスを言っても意味無いけど…
久しぶりに小沢の部屋にある、ギターを手にした

「小野、このギターいるか?」

僕が手にしていたギターはフェンダーのストラトキャスターで色はブルーメタリックだ

「でもギターだけじゃ音は鳴らないだろ?アンプとかチューナーも揃えるとなると金かかるからなぁ。欲しいけどいいよ、ウチじゃ弾けないし」

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