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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第103章 猿真似は所詮、猿真似

そんな話をしていたら、いつの間にか灰皿は吸殻の山盛りになって、部屋中煙だらけになって、窓を開けて換気した


それにしてもギター欲しいなぁ…

帰りの電車の中で、ギター弾けたらバンドとか組んで人気が出りゃデビュー出来るな…
で、ライブハウスとかで演奏して、レコード会社からスカウトされて…いや、いくらなんでもそれは無いだろう

ただこの頃はホントに何もかもがヤル気が無く、ただ流されていく日を送っていた

サザンオールスターズの【ミス ブランニュー デイ】の歌詞の中に

Oh,Oh,Miss Brand-New
Day
みな同じそぶり

Oh,Miss Brand-new Way
誰かと似た身なり

というフレーズがあるが、僕はまさにこの歌詞にピッタリの高校生だった

ミスをミスターに置き換えれば僕の事を歌ってるようなもんじゃないか、と

無意味に流行りものを追いかけ、右へ習えのように口調も素振りも人と同じ事をしていた
早い話が誰かの猿真似をしていたに過ぎない
所詮は猿真似だから、格好だけ真似てもサマにならない、わかっちゃいるけどどうしてもその格好を真似てみたい、この年頃だから尚更だ


こんな事ばかりしていたら楽しい日々なんて永遠に来るワケがない

何かに夢中になりたかったが、何に夢中になればいいのか解らない



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