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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第104章 姉の恋愛

バイトの帰り、駅に着き改札を抜けたところで声を掛けられた

「貴久、今帰りなの?」

振り返るとアネキと波多野がいた
どうやら帰りの電車の中で一緒になったらしく、駅前で話をしてたらしい

「何やってんだよこんな寒いとこで」

「えぇ、決まってるじゃない、小野っちが来るのを待ってたのよぉ~」

「アハハハハハ」

「嘘つけっ!」

「貴久、アンタ不良みたいな歩き方してるわよ」

「不良?」

「ガラの悪いヤツにしか見えないわよ」

僕は猫背でポケットに手を突っ込みややがに股に歩くからヤンキーっぽく見えるらしい

「んなこたぁねえだろ。で、何やってたんだよ、こんな時間まで?」

「何って祐実センパイと話し込んでたらこんな時間になっちゃったの」

こんな寒い外で、しかもすっかり日が暮れて真っ暗になってる場所でよく長話なんて出来るもんだ、僕には無理だな

「外で話してないで中入って話せばいいだろ」

「だってアタシ達お金無いもんねぇ、だからこうやって外で話すしかないもん」

「コーヒー飲むぐらいの金ならあるだろうが。何ケチってんだよ」

「じゃあ小野っちの奢りでコーヒー飲みに行こう!」

波多野ははしゃぎながらファミレスに行こうと言ってるが、時間が遅すぎだ、早く帰って飯でも食って寝ろっての!

「もう遅ぇーよ!早く帰って飯食って寝ろ!」

時計は9時を回っていた

「あ、もう9時過ぎてるじゃん!ゴメンね慶子遅くまで着き合わせちゃって」

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