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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第104章 姉の恋愛

一体何時間ここにいて話をしてたんだ?

「大丈夫です。じゃあまた、小野っちおやすみ~」

「またな~、風邪引くなよ!」

「歯磨けよ」

「宿題やれよ」

「それはアンタでしょ!」

そんなくだらない事を言いながら僕はアネキと一緒に帰った

「貴久」

「ん?」

「アンタ慶子の事好き?」

唐突にアネキが波多野の事を聞いてきた、何言い出すんだ、一体?

「っ!!なに?」

「いいから、どっち?好きなの?それともキライなの?」

少し返答に困る質問だ、好きだけど、それをハイ、好きです!って言うのが気恥ずかしい

「キライではないよ」

「じゃあ好きなのね?」

「いや、好きというか…」

「どっちよ?」
僕はしどろもどりになった
何だって急にそんな事を聞いてくるんだか…

「どっちだっていいだろ!アネキこそ好きなヤツいないのかよ?」

「あ、アタシ?アタシは今勉強でそれどころじゃないのよ!」

急に姉が狼狽えた、はは~ん、どうやら意中の人物がいるのか、そうか

「もしかしたらアネキ好きな人いるのか?」

「い、いいじゃない、アタシの事は!」

「何で急にオドオドしてんだよ?」

「してないわよ!」

「してるじゃん!」

「してないってば!」

「ワハハハハ!」

そんな事を言い合いながら家まで暗い夜道を歩いた
いつもならまだ店が開いている商店街もシャッターが閉まって静かな通りになっていた

どうやら姉は好きな人がいるみたいだな…

恋愛には無縁だと思ってたが、高2の女子高生だし好きな人がいてもおかしくない

何だか少しホッとした

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