
1985年空は蒼かった~イノセントスカイ
第107章 ディスコって疲れる
坂井は女同士で固まっているメンバーを見つけ、得意のステップで女の娘達の目の前を通り、華麗にステップを踏んでいた
あぁ、このステップには敵わない
「スゲーなあの人!」
「お前も一緒に踊ってこいよ」
僕は前にも彼の踊りを見たが、キレがあってシャープなステップ、しかもサマになってる
中田と山下はその踊りに釘付けになっていた
「あれじゃ無理だよ!一緒に踊ったらタコ踊りになって恥かくだけだよ」
「いい娘いないかなぁ」
僕ら3人は隅っこであーでもないこーでもないと踊りもしないで言い合っていた
「小野ちゃんこっちこっち!」
坂井に手招きされ、僕は中央へ行った
前回は身体中に響く重低音サウンドと、人の熱気で酸欠状態になりそうだった
でも、今回はそれほど気にもならず、坂井の横に付いてダンスを真似ていた
「オレの真似してりゃ大丈夫だから」
そう言うと坂井は緩やかなステップを踏み始めた
そういや、こんな感じのダンス、確かデヴィッド・ボウイのPVで観たことある
僕は見よう見まねでステップを踏んだ
「なんだ簡単じゃないか」
そう思い、僕は中田と山下を中央まで引っ張った
「簡単だよ、やってみると」
何てことはない、難しい踊りをしているワケじゃない、ただフツーにステップを踏むだけだ
上手い下手なんて関係ない、要は踊ってストレス発散して楽しめればいいんだ
皆汗だくになりながら踊っていた
そしてスローテンポの音になり、チークタイムとなった
「小野ちゃんあの娘狙い目だよ」
坂井が指差した方向にポツンと1人の女の子が立っていた
「あの娘誘ってみなよ」
「えー、無理っすよ」
「大丈夫、行ってこい」
背中をバンと叩かれ僕はその娘の前に立った
「あ、あの」
「はい…」
暗がりでよく見えないが、多分僕と同じ年ぐらいの娘だった
わりと可愛い娘だ、1人でここに来たのだろうか
「あ、あーの、良かったらチークを、いや、ダメならいいんすけどハハハ」
何ヘラヘラしてんだ僕は
女の子は下を向き、こくっと頷いた
(やった!)
僕はその娘の手を引き中央まで連れてきてチークダンスを踊った
踊るというか、ただくっついてるだけだったのだが
チークタイムの間、僕らは無言だった
(何喋らなきゃ、何話せばいいんだ?)
あぁ、このステップには敵わない
「スゲーなあの人!」
「お前も一緒に踊ってこいよ」
僕は前にも彼の踊りを見たが、キレがあってシャープなステップ、しかもサマになってる
中田と山下はその踊りに釘付けになっていた
「あれじゃ無理だよ!一緒に踊ったらタコ踊りになって恥かくだけだよ」
「いい娘いないかなぁ」
僕ら3人は隅っこであーでもないこーでもないと踊りもしないで言い合っていた
「小野ちゃんこっちこっち!」
坂井に手招きされ、僕は中央へ行った
前回は身体中に響く重低音サウンドと、人の熱気で酸欠状態になりそうだった
でも、今回はそれほど気にもならず、坂井の横に付いてダンスを真似ていた
「オレの真似してりゃ大丈夫だから」
そう言うと坂井は緩やかなステップを踏み始めた
そういや、こんな感じのダンス、確かデヴィッド・ボウイのPVで観たことある
僕は見よう見まねでステップを踏んだ
「なんだ簡単じゃないか」
そう思い、僕は中田と山下を中央まで引っ張った
「簡単だよ、やってみると」
何てことはない、難しい踊りをしているワケじゃない、ただフツーにステップを踏むだけだ
上手い下手なんて関係ない、要は踊ってストレス発散して楽しめればいいんだ
皆汗だくになりながら踊っていた
そしてスローテンポの音になり、チークタイムとなった
「小野ちゃんあの娘狙い目だよ」
坂井が指差した方向にポツンと1人の女の子が立っていた
「あの娘誘ってみなよ」
「えー、無理っすよ」
「大丈夫、行ってこい」
背中をバンと叩かれ僕はその娘の前に立った
「あ、あの」
「はい…」
暗がりでよく見えないが、多分僕と同じ年ぐらいの娘だった
わりと可愛い娘だ、1人でここに来たのだろうか
「あ、あーの、良かったらチークを、いや、ダメならいいんすけどハハハ」
何ヘラヘラしてんだ僕は
女の子は下を向き、こくっと頷いた
(やった!)
僕はその娘の手を引き中央まで連れてきてチークダンスを踊った
踊るというか、ただくっついてるだけだったのだが
チークタイムの間、僕らは無言だった
(何喋らなきゃ、何話せばいいんだ?)
