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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第112章 慶子の事、頼んだからねっ!

クリスマスといっても特に行く所も無く、僕と波多野と杉下はあてもなくフラフラと寒空の夜の街を歩いた

「寒いなぁ、ついでに腹減ったし…あそこの店で飯食おうよ」

僕は目についたファミレスを指しそこに入ろうと二人を誘った

「いらっしゃいませ、3名様ですか?」

入り口でウエイトレスが僕らの人数を確認しに聞いてきた
「はい、3人で」

「あちらの席へどうぞ」

ウエイトレスが窓際の一角に空いている席へ案内した

僕の隣には波多野が座り、テーブルの向かいには杉下が座った

「あぁ~中は暖かいよねぇ」

そりゃそうだろ、杉下はこんなクソ寒いのにミニスカートなんか履いている
対照的に波多野はデニムというスタイルだ

「小野っちビール頼んでもいい?」

席に着くなり、波多野はいきなりビールを飲もうとしている

「えー、慶子お酒飲むの?」

杉下が驚いた表情をしていた
波多野が酒を飲むのを知らなかったらしい

「コイツかなり飲むんだよ!アル中みたいに飲まないと手が震えるんだってさ」

「うっそ!」

「そんなワケないでしょ!何でアタシがアル中なのよ!」

しかし、クリスマスの日にファミレスでビールかよ…それにしても店内は賑やかだ、クリスマスというせいか、ケーキを頼んでいる家族連れの客もかなりいた

「ワハハハハ!」

「小野っちはタバコで慶子はお酒?二人ともとんでもない不良ね」

杉下は呆れた顔で僕と波多野を見ていた

「えー、でも1度ぐらい酒やタバコにチャレンジしたことないのか?」

「あるわけないでしょ!アタシまだ16なんだから!」

「優子、それじゃ松本伊代だよ~」

「ギャハハハハ!センチメンタルジャーニーじゃねーか!」

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