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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第112章 慶子の事、頼んだからねっ!

僕はタバコの煙を吐きながら隣に寝てる波多野に上着をかけた

「大丈夫なのホントに?」

不安そうに杉下が波多野を見つめる

「しばらくすれば酔いが醒めるからこのままにしておけば大丈夫」

店内はクリスマスとあって満席に近い状態だ、しかも酔っぱらいの女子高生が寝ているなんて、僕らはかなり浮いた客だ

「お客さんいっぱいいるし、あんまり長居出来ないんじゃないのかなぁ…」

杉下の言う通り、ただでさえ次から次へと客が来るのに、酔っぱらいのせいで長居は出来ないし、店の迷惑になる

「もうちょっとしたら起こそう」

「うん」

しばし無言になる

(この沈黙がキライなんだよな!何か言えよ、杉下!)

僕は杉下にどう話を振っていいのか解らない
だから杉下が何かを言おうとするまで待っているのだが、この沈黙に耐えられない

こんな時、杉下は何を考えているんだろうか?
ただ黙ってるだけで何か言ってくれればいいんだが、決して杉下から話をしてこない
話しづらい相手だ

波多野は横でクークーと寝息を立ててる

「あのさ」

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