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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第112章 慶子の事、頼んだからねっ!

沈黙に耐えきれず僕から切り出した

「何で3人で会おうって言われても断らなかったの?」

「え?」

「い、いやオレと二人じゃなく波多野入れて3人になるじゃん?なのに何で断らなかったのかなぁって…」

「うーん」

杉下は腕を組ながら考えていた

「よくわかんない」

「はぁ?」

よく分からない?こっちはお前の方が全くわからないよ!



「よくわかんないけど、小野っちも慶子も中学の時の同級生でしょ?だったら前みたいに教室で3人で話してた時みたいに話せればいいかなぁって思ったの」

中学の時は僕の隣に杉下が座って、僕の前には波多野が座っていた

そしてこの3人でよく話をしていた

何だか随分前の事に思える
僕は窓の外を眺めながら、その時の様子を思い浮かべていた

「あぁそう言えばいつもこの3人で話してたよなぁ。何処の高校に行こうか?とか」

「そうそう、小野っちは電車で通学したいとか言ってたんだよ」

「今それ後悔してる」

「だから言ったじゃん!そう言えば編入ってしないの?」

編入って事を初めて知ったのは卒業して次の日に第二ボタンを渡した時に杉下が教えてくれた

「色々考えてけど止めた。だって編入試験受けて新しい学校に入ったとしてもまた同じ事繰り返しそうだしさ」

「じゃあ今の学校に3年間通うつもり?」

「今のところはね」

ホントについ数ヶ月前の出来事だけど、随分と昔の事に思える
懐かしいなぁ、出来る事ならあの頃に戻りたい
皆はどうなんだろう?

「そうなんだ。ねぇそろそろ慶子起こさない?」

「あ、そうだな。おーい、起きろ!風邪引くぞ、そんなとこで寝てると!」

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