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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第112章 慶子の事、頼んだからねっ!

僕は波多野を揺すり起こした
いい加減起こさないとまずいからな

「あれ?…ここどこ?」

まだ寝惚けてやがる!

「慶子、覚えてないの?」

「ダメだこりゃ」

「あぁ何かちょっと頭痛い…」

「飲み過ぎなのよ、ほら早く起きなさい!」

僕と杉下が両脇を抱えて店を出た

「うぅ~、寒いなぁ、早く酔いが覚めればいいんだが」

「ぅ~、何か気持ちわるい…」

波多野が少しフラフラになりながら、悪酔いしたみたいだ

「えぇっ?」

「吐くのか?」

こんなとこで吐くなよ!それ見たらこっちも吐きそうだ…

「いや大丈夫…」

「小野っちおんぶしてあげたら?」

「マジかよ?」

僕は波多野を背負い、近くの公園のベンチで少し休ませ、酔いが醒めた頃に波多野を送って帰った
杉下には何か申し訳ない気持ちだ

帰り際、杉下は笑顔で
「慶子の事頼んだからねっ」
と言われた

あくまでも僕個人の意見だが、杉下は僕も波多野の仲を見て、はっきりと確かめたかったのだろうと
それを見て杉下は僕に波多野の事を頼んだ、と言ったんだと
それ以来、杉下から連絡が来ることは無かった

1985年のクリスマスは何だか解らないうちに終わった

今年も後残り僅かだ

来年はどんな年になるのかな…

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